教育と研究の基本
1.基本規則
鹿児島大学大学院共同獣医学研究科獣医学専攻(博士課程)の設置に際し、その基本となる次の規則をお知らせします。
2.共同教育課程
共同獣医学研究科は、山口大学大学院共同獣医学研究科と共同教育課程を編成します。
3.アドミッション・ポリシー
① 求める人材像
共同獣医学研究科では、次のような人材を求めています。
- 研究者としての正しい倫理観を有し、行動規範を遵守できる人
- 獣医学に関する十分な基礎学力、獣医倫理並びに技術を有している人
- 研究活動に必要な英語能力とコミュニケーション能力を有している人
- 研究課題への探究心と好奇心が旺盛な人
- 豊かな人間性と向上心を有している人
② 入学前に身につけておいて欲しいこと
獣医学全般や研究活動に必要となる生物学全般、さらに獣医学の専門英語の理解力が必要になります。また、これまでの研究内容や今後の研究計画についての自分の考えを明確に表現する能力を身に付けておく必要があります。
③ 入学者選抜の基本方針
- 筆答試験(外国語科目:英語):獣医学の基礎学力と研究活動に必要な英語能力を評価します。
- 口述試験:口頭発表と質疑応答により、研究や生命への倫理観、計画性、探究心、向上心、人間性、コミュニケーション能力を評価します。
4.カリキュラム・ポリシー
共同獣医学研究科では、ディプロマ・ポリシーに掲げる人材を養成するために、共通科目(共同教育科目、専門教養科目、先端実践科目、特別専修科目)及びコース科目(研究推進科目)を体系的に編成し、教育内容、教育方法、学修成果の評価についての方針を以下のように定めます。
教育課程・教育内容
- 共同獣医学研究科の教育課程は、1~3年次に獣医学に関する高度の専門的能力と豊かな一般学識を身に付け、柔軟な思考力、広い視野、そして目的を達成するための強い意思を有して社会で活躍できるリーダーを養成する
- 研究により得られた成果を基に、4年次に学位論文を作成する。これにより、生命の科学的理解と論理的思考に基づいた研究指導により、研究者あるいは高度専門家として、自ら問題意識を持ち、獣医学を取り巻く諸問題に対応または解決できる人材を養成する
- 「共通科目(共同教育科目)」は、両大学の教員が開講する講義科目を通じて、専門とする学問領域以外の幅広く高度な獣医学的な知識を修得させ、高度な研究者及び優れた獣医学専門家としての人材養成を目的とする。この授業は双方向性メディア授業形式あるいはビデオ・オン・デマンドやE-ラーニングシステムによる受講を可能とする。
- 「共通科目(専門教養科目)」は、研究者としての行動規範、倫理、知的財産の管理、専門的な英語力など、学部教育をさらに発展させたものを身に付けることを目的とする。
- 「共通科目(先端実践科目)」は、獣医科学コースのみが履修する科目であり、ディプロマ・ポリシーの獣医学・医療分野で研究の国際化に対応し、実践的なコミュニケーション及びプレゼンテーション能力等を習得することを目的とする。
- 「共通科目(特別専修科目)」は、獣医専修コースのみが履修する科目であり、獣医学術団体による専門医制度、認定医制度、専門家協会会員資格制度に規定された知識、技術、実務等を、複合的に実践し、高度専門家として獣医学を取り巻く諸問題に対応または解決でき得る能力を習得することを目的とする。
- 「コース科目(研究推進科目)」は、学生が目指す研究領域において、研究推進のための高度な専門的知識と技術を修得することを目的とする。なお、コース科目には指導教員の特別講義の履修も含まれ、共同教育科目と同様に、メディア授業形式あるいはビデオ・オン・デマンドやE-ラーニングシステムによる受講を可能とする。
教育方法
- ディプロマ・ポリシーに掲げる能力を育成するために、各科目の目的・目標に応じた方法による教育活動を行う。
- 学生の主体的学びを推進するためにアクティブ・ラーニングを導入し、課題探求・解決学習及び実践的教育を行う。
- 対面式/双方向性メディア形式授業あるいはビデオ・オン・デマンドやE-ラーニングシステムを活用した授業を行う。
学修成果の評価
- 各科目において教育・学修目標と評価基準を明確にし、試験及びレポート等に基づき、学習成果の到達度を厳格に評価する。
- 4年間の学修成果は、4年次までの修得単位数に加え、「学位論文」による総括的評価を行う。
5.ディプロマ・ポリシー
共同獣医学研究科では、所定の期間在学して所定の単位を修得し、共同獣医学研究科の人材養成目的に適う、以下の知識・能力を身に付けた上で、学位論文の審査及び最終試験に合格したものに博士(獣医学)の学位を授与します。
- 獣医学(動物)に関する最先端の科学技術を修得し、高度な学識と技能に基づいて研究遂行ができる能力
- 生命の科学的理解と論理的思考、高い生命倫理観と研究者倫理観に基づき、研究者あるいは高度専門家として、自ら問題意識を持ち、獣医学を取り巻く諸問題に対応または解決でき得る能力
- 獣医学・獣医療分野で研究の国際化に対応できる、実践的な英語及びコミュニケーション能力
- リーダーとして高い素養を備え、社会で活躍できる能力
6.教育上の特色
- 学生は、共同獣医学研究科に所属する教員のうちから主指導教員についての希望を申し出て、研究科がこれを調整し、決定します。
- 学生は、主指導教員のもとで研究指導を受けます。
なお、山口大学の施設・設備も利用することができます。 - 共同獣医学研究科では、学生1人につき、主指導教員1人、第一副指導教員1人、第二副指導教員(山口大学の教員)1人の計3人が指導に当たります。
7.履修方法
共同獣医学研究科での履修方法は次のとおりです。
共通科目…20単位以上
- 共同教育科目 14単位以上
※ただし、主指導教員及び副指導教員の担当特別講義以外から選択し、履修する。
また、鹿児島大学開設科目を3科目6単位以上、山口大学開設科目を4科目8単位以上履修する。 - 専門教養科目 3単位
- 先端実践科目 3単位 ※ 「獣医科学コース」のみ必修
- 特別専修科目 3単位 ※ 「獣医専修コース」のみ必修
コース科目…10単位以上(一部共通科目を含む。)
- 研究推進科目(特別演習及び特別実験)及び共通科目(特別講義)のうち、主指導教員が開講する特別講義(1科目2単位)、特別演習(1科目2単位)及び特別実験(1科目2単位)並びに両大学の副指導教員が開講する特別講義(2科目4単位)を必修とする。
○ 鹿児島大学及び山口大学の開設科目及び授業内容については、次のシラバスをご参照願います。
8.成績評価に関するガイドライン
9.共同教育履修課程及び各種資格における受験資格の取得
共同教育履修課程及び各種資格における受験資格の取得については、ここをご覧ください。
10.主指導教員の研究部門の概要
主指導教員の研究部門の概要については、ここをご覧ください。
11.主指導教員一覧
主指導教員の教育研究分野の一覧は、ここをご覧ください。
12.転コース
獣医専修コースから獣医科学コースへの転コースに制限はありませんが、獣医科学コースから獣医専修コースへの転コースには、各専門医/専門家としての認定試験の受験資格となる一定の修業期間を大学院の就学期間内に満たす場合に限って可能となります。
13.修了要件
学生は、共同獣医学研究科の教育課程において、30単位以上を修得し、必要な研究指導を受けた上、博士論文の審査及び試験に合格することを修了要件とします。なお、30単位以上のうち、10単位以上は山口大学大学院共同獣医学研究科開設科目の単位とします。
14.学位及び各種資格における受験資格の取得
共同獣医学研究科が定める修了要件を満たした場合、博士(獣医学)の学位が授与されます。学位記は、鹿児島大学長及び山口大学長の連名で授与されます。なお、獣医専修コースを修了し、必要な試験に合格した場合は、試験分野に応じて実験動物医学専門医資格、日本獣医病理学専門家協会会員資格を取得することができます。また、獣医専修コースを修了し、博士(獣医学)の学位を取得した後、レジデント期間を経て必要な試験に合格した場合は、臨床獣医学における日本小動物外科専門医の資格が取得できます。